1球ごとの駆け引きも野球の醍醐味 日本でのピッチクロックの早期導入は本当に必要か
日本野球は、駆け引きを楽しむスポーツでもあってほしい。早期の「ピッチクロック」導入は本当に必要か。
米大リーグ機構(MLB)は21日(日本時間22日)、来季に向け7項目に関する新ルールを発表した。注目は、投球間の時間を制限する「ピッチクロック」に関するものだろう。試合時間の短縮を目指すMLBは今季から「ピッチクロック」を導入した。投手が打者に投球するまでの時間を制限する仕組みがメインだ。手短にいえば投手は捕手からボールを返球された以降、走者がいなければ15秒、走者がいるケースでは20秒以内に投球動作に入らなければいけない。もし、違反すれば自動的に1ボールが追加される。打者は制限時間の8秒前までに打席に入る必要があり、違反すれば自動的に1ストライクが追加される。これにより、MLBは1試合平均で24分の短縮に成功したが、2024年からは走者を置いた場合の時間が今季の20秒から18秒にまで短縮されるという。
日本でも投球の遅延行為に対し、公認野球規則で定められた12秒ルールというものが存在している。NPBではこれを基に2009年1月19日のプロ野球実行委員会で「投手が捕手からボールを受けて15秒以内に投球すること」という15秒ルールの独自運用を定め、同30日のセ・パ両リーグ審判合同会議で申し合わせをした。実際に、横浜ベイスターズ(現DeNA)時代の工藤公康氏が適用第1号となっている。2009年8月18日の横浜-巨人16回戦(東京ドーム)で七回1死、谷佳知氏の打席だ。3番手としてマウンドに上がっていた工藤と捕手・阿部慎之助現巨人監督とのサイン交換が15秒を超え、ボールが宣告された。
NPBでも「ピッチクロック」導入を前向きに検討を開始する流れになっている。9月29日に都内で行われたオーナー会議で榊原定征コミッショナーがMLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーと「ピッチクロック」導入経緯や効果との会談内容を報告。会議後、「現状報告を踏まえ検討を深めたい」と発言したからだ。
26年のWBCでも「ピッチクロック」が採用されるらしいが、早急な導入は危険性もはらんでいる。NPBでは、個々の審判員の適用基準に差があるとの指摘が存在している。また、実際に適用してコールしても、公式記録員や球場内に説明する必要も生じる場合も出てくる。そうなればタイムロスも生まれ、逆に試合時間の遅延も懸念されるからだ。
確かに、他の球技に比べて野球の試合時間が長すぎるといわれている。NPBでも年々バッテリー間のサイン交換が複雑になり、いたずらに時間を消費するケースも増えているかもしれない。だが、WBC決勝戦での大谷翔平とマイク・トラウトの勝負のように、時間をかけてもいいケースは絶対にある。この際の投球はすべて「ピッチクロック」違反になるらしいが、ファンは熱狂した。スピードアップは時代の流れかもしれないが、1球ごとの駆け引きもまた野球の醍醐味であることを忘れてはいけない。
12/23(土) 9:00配信 ディリースポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/db537e6443d253ff6d9e4ae68b45c0555e42168f
【野球】MLBがルール変更発表 走者ありのピッチクロックを20秒から18秒に短縮、一塁へはライン内側走行可能に [Egg★]
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