「庄やグループ」大量閉店・・・なぜかわかる!?
チェーン居酒屋「庄や」の運営元である株式会社大庄の業績が冴えません。
自前で料理人を育てつつ、独立制度も充実させることにより店舗数を増やした同チェーンですが、2010年代以降は飲食文化の変化により規模を縮小せざるを得ませんでした。そして、市場の変化に悩まされるなか、コロナ禍により大打撃を受け、3年間で200店舗以上が閉店に追い込まれました。
別事業で復活を狙っているようですが、ピーク時の規模まで回復させるのは難しいかもしれません。今回は、大庄のこれまでのあゆみと近年の業績悪化について取り上げたいと思います。
庄やのグランドメニューから「鮮魚」がなくなりました!なぜならば!
お店毎に板前さんが献立を考える
「おすすめ」があるから!#庄や 来たら「今日は何の魚入ってるる」っね聞くことが楽しいお店です!庄や 川崎408店
044–211–1581https://t.co/Ghdcnn9BX3 pic.twitter.com/k0mNGyRBHS— 庄や【公式】株式会社大庄 (@syoya_official) April 21, 2023
大庄のルーツは1968年に東京都・大田区で開店した「若鳥屋」から始まります。1971年に株式会社化したあと、73年に庄や1号店となる大衆割烹「庄や本家店」をオープンしました。大庄の社長は庄やを“安価な割烹”と位置づけ、他のチェーンのように居酒屋として扱われるのを嫌がったようです。
安価な居酒屋メニューではなく質の高い魚介類で勝負し、80年代にしのぎを削っていた居酒屋チェーン御三家(養老乃瀧、村さ来、つぼ八)とは異なった戦略で店舗数を増やしました。刺身盛りや焼き魚類のメニューが充実しており、他チェーンよりもやや価格が高い分、料理に力を入れている印象があります。
◆充実した独立制度を軸に規模を拡大
ただし、外部から派遣される板前の質は低かったようで、板前を育てる方針をとり、自社で調理師学校を設立しました。また、有能な幹部の中には独立志向を持つ者が多いことにも気づき、1981年には独立者に対する資金援助・教育研修等を目的とした「協同組合庄や和食グループ」も設立しました。
同グループは独立者の資金調達、ノウハウ構築を支え、大庄の店舗数増加にも貢献しました。大庄は調理師育成と充実した独立制度を軸に規模を拡大し、1997年には東証二部上場、99年には一部上場企業となりました。成長の過程で居酒屋「榮太郎」など他チェーンも買収していますが、あくまでも庄や事業が軸となっています。
◆「酒離れ&魚離れ」で業績悪化…
コロナ禍で200店舗以上閉店した大庄ですが、実は以前より長期で業績悪化が続いていました。2008年8月期に売上高897億円、全店舗数762店と過去最高を記録して以降、売上高は徐々に下がり続け、2014/8期には731億円、コロナ前の2019/8期には610億円に。
店舗数も2019/8期には616店となっており、2008/8期より約150店舗も縮小しています。この間、営業利益は赤字と黒字を行き来し、低調に推移しました。
業績悪化の原因として第一に日本人の酒離れがあげられます。様々な統計でも示されているように1990年代と2000年代を比較するとほぼ全ての年代で飲酒量や飲酒の習慣が減っており、居酒屋市場全体の縮小が続きました。居酒屋御三家に代わって台頭してきた新御三家(モンテローザ、ワタミ、コロワイド系列)も居酒屋事業の業績が悪化しています。
二つ目の理由は日本人の魚離れです。庄やは確かに魚メニューに力を入れていますが、魚を食べる習慣が減ってしまえば需要も無くなります。
日本人一人当たりの魚介類消費量は2001年をピークに、肉類に置き換わる形で減少し続けました。つまり、大庄の業績は市場環境の変化に抗えず悪化した形です。
◆4割以上の店舗が閉店し、中小企業扱いに
そして大庄は多分に漏れずコロナ禍で大打撃を受けました。2019年/8期から2022/8期までの業績推移は次の通りです。
【株式会社大庄(2019年/8期~2022/8期)】
売上高:610億円→448億円→288億円→380億円
営業利益:7.3億円→▲33.1億円→▲59.5億円→▲53.9億円
全店舗数:616店→586店→436店→385店
他の居酒屋チェーン同様、コロナ禍では外出自粛のほか時短営業、休業により業績が大幅に悪化しました。庄や、日本海庄や、大庄水産などいずれのブランドも店舗数を縮小。グループ全体で3年間で200店、実に4割以上の店舗が閉店に追い込まれました。
飲食事業の他に卸売事業や運送事業も手がけていますが、卸売事業は自社チェーンに対する売上高が大半を占めており、飲食事業の悪化に伴って収益が減少しました。運送事業においては会社全体に対する規模が小さいため全社業績を支えるには至りませんでした。カラオケ事業も経営資源を集中させるべく店舗の大半が売却されました。
資金面では、銀行とのコミットメントライン契約により手元の資金を確保しましたが、自己資本比率は50%台から30%弱まで落ち込んでいます。また、税制面での優遇を得るため2020年には資本金を86.2億円から1億円へと減資し、中小企業扱いとなりました。
◆以前の水準には回復できない?
なお、大庄は今後について様々な方針を掲げています。飲食事業においては客の目の前で魚をさばく「お魚総本家」などの新業態店を開店させるほか、GoogleやLINEを用いた集客施策を進めるようです。
飲食以外の事業ではスーパー向けに「庄や」メニューの卸売を始めており、前橋地盤のスーパー「ベイシア」で真ホッケ開き焼きなどの商品が提供されました。他飲食チェーン向けの物流事業も強化するとしています。
ただ、いずれも「魚」を中核とした施策であり、魚離れが進む国内市場を考慮すると厳しいと考えられます。飲食事業で全く異なるタイプの業態店をオープンし、それをヒットさせなければピーク時(2008年)の水準まで業績が回復することはないでしょう。
仮にヒット作を狙う場合、様々な業態店を試し続けるトライ&エラーのような方針が求められますが、そのための資金も乏しい状況です。大庄の業績はしばらく低調に推移すると考えられます。
<TEXT/山口伸>
【山口伸】
化学メーカーの研究開発職/ライター。本業は理系だが趣味で経済関係の本や決算書を読み漁り、副業でお金関連のライターをしている。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー Twitter:@shin_yamaguchi_
<このニュースへのネットの反応>
以前ここの企業面接を受けたんだがブースに来ていた部長が「もしお客さんがタバコ買ってきてと言ったら店員は買ってくる」みたいな心構えをと言っていたけど頭イカれてんのかと思った
魚離れじゃなくて周りの国が節操なしに乱獲してるから日本で捕れないだけじゃねえの?
酒も魚も好きだよ。毎日飲み食いしていても別に飽きないよ。ただ金が無いだけだよ。
他のチェーン居酒屋に比べると庄やは美味しい気はしてたけど、他に魚美味しい店みつけちゃったからあまり行かないな
農水省資料によると確かに魚消費量は減って肉消費量は増えてる。でも回転寿司業界は伸びてるんだから、一概に原因とは言えないのでは。
まあ、総量として減ってるから一因ではあると思う>寿司は増えてる~、で、デフレといいつつサービス業は原材料費と水道光熱費分価格上がって給料はそこまでじゃなかったからコスト分外食機会が減ったのが主原因よな。家飲みはそこまでなわけだし。で、急激な円安でコストだけ上がったインフレが今なわけで、輸出産業、インバウンド関連の好況が落ちてくるまで内需がもつかね…?
ホントにぃ?日本海側や紀伊半島南部、九州、四国に来れば美味い魚食えるぞ。
ここ店長の裁量が大きそうなんだけど人事異動が多くて半年とか1年で変わっちゃうから店の方針がブレブレになるんよねマグロ解体ショーをやるような店長もいればコスト重視で安売りフェアをやる方もいるんでこっちはアレ?って思っちゃう
魚離れ(の原因)→値段高騰(の原因)→エネルギー不足や特定地域の乱獲(の原因)→日本の政策が甘かったり敵国に優しく対応して舐めらたりしている(の原因)→国内の特定政治家(※与野党全て含む)やマスゴミやパヨ団体が裏金や特殊接待で優遇されているから「対話で解決」「平和的に解決を!」等と言っている 以上 ここまでで明らかに可笑しい点が有ったら指摘頼みます♪
まぁ、要因はいくつも思いつくが、結局のところ時代の流れだよね。今はもう酒飲んで魚食べるのは一部のかぎられた人だけなんだよ。
日本人の日本酒と魚嫌いは大学時代の安居酒屋で出た不味い日本酒と魚が記憶が一因だと思ってるから、なんだかマッチポンプ感を感じてしまう
魚美味しいし好きだけど、高くなってて手が出しづらいんだよねぇ。鰯や鯖、鮭が大衆魚と呼ばれたのも今は昔だよ。
>>きつねこhttps://www.shogakukan.co.jp/books/09380104海産物がらみの闇の深さはこの本で、よりくわしく書かれている。
ふつうに高いから買わなくなったね
昔は安くて長く食べられるから必ず頼んでたよ、ほっけ。すみません、大盛フライドポテトください
漁獲量がどうのと言ってるが飲み屋が流行らなくなってる方がメインだろ、飲み会は社員全員付き合うべきものなんてゴリ押しだけで維持されてた客が離れたらこんなもん
庄やは出前館で刺身といくら丼とすき焼き出してたからよく利用してたなぁ今はそれが全部なくなったから他のでよくね? になってる
日本人が大切に育てた漁場で不法操業して根こそぎ乱獲しているお隣の国のせいで価格が上がってるから。しかもあいつら武装してたりするから、日本の漁師では太刀打ちできない。
お魚さんはしっかり食べないと次の漁獲量は前に比較して決められるので食べなければ食べないほど漁獲量の割当が減って値段が高くなって負のスパイラルになるよー!魚たべよう!!