【海外】17歳で初来日したロシア人美女レイヤーが語る「日本人が気づいていない日本の魅力」
ロシア生まれのサーシャさん(@rayblos)は、17歳のときに初めて日本に来ました。
それから日本のカルチャーや風景の虜になり、現在は日本の芸能事務所に所属し、タレント、グラビア、YouTuber、TikTokerなどの活動をしています。日本のどこに惹かれて、なぜ日本で芸能活動をするに至ったのでしょうか? 本人に詳しく話を聞きました。
◆日本がうっすら見えるような故郷
――生まれはロシアのどのあたりですか?
サーシャ:日本に近い場所で、すぐ海の近くにあるヴァレンチノという町でした。おじいちゃんが海軍の関係者で、その仕事で引っ越してきたところでした。海もめちゃくちゃキレイで、海岸から遠くをながめると、日本がうっすら見えるようなところでした。そこには4歳くらいまでいて、そのあと各地を転々とするのですが、小3からウラジオストクに引っ越しました。引っ越した後も、18歳までは毎年、夏休みにはおじいちゃんに会いに行きました。
――日本にはいつ来たのでしょうか?
サーシャ:日本に初めて来たのは中2のときで、お父さんの仕事の都合でした。そのあとも年に2回くらいは日本には来ていて。あるとき、私を大阪の学校に入れる話が出たのですが、そのあとでお母さんとお父さんがケンカして別れることになり、ナシになっちゃったんです。日本の高校に行きたかったので、それはめっちゃ悲しかったですね。
◆お気に入りだった「日本の100円ショップ」
サーシャ:17歳の時に、お父さんの都合で日本に来て東京に1人旅行したの。雰囲気が好きだし、道もキレイ。女の子の服装も個性的でカワイイし、食べ物も美味くてすぐ好きになりました。特にお気に入りだったのは100円ショップ。ペンとか、カワイイものがいっぱいあって、いろいろ買いました。まぁ結局使わないものもあったんけど(笑)。
◆彼氏に捨てられた「日本語が下手くそ」
サーシャ:ロシアに帰って、高校を卒業したけど、大学行くよりは日本に行きたいと思って、日本語学校に入学したんです。だから日本に来たときは、日本語も、日本の文化もぜんぜんわからないまま。コンビニの店員さんに会ったら「ありがとうございます」って頭を下げていたくらい(笑)。
それで日本に来て、日本語学校に2年通いました。日本語は難しいって聞いていたけど、モチベーションがあったのですぐに言葉は覚えられました。当時、日本人の彼氏に「日本語が下手くそで嫌」って捨てられたから。それで頑張った(笑)。
――学費はどうやって稼いだのですか?
サーシャ:日本に来る前に、ロシアでウエイトレスの仕事をして稼ぎました。今は違うかもしれないけど、当時アルバイト代は35ルーブルで、日本円にすると時給50円くらい。だから最初はぜんぜん稼げないけど、ロシアはチップ文化があったり、メニューを覚えると時給が上がったりしたので最終的には月10万円くらいにはなってました。それで入学費を払いました。日本に来てからはドトールコーヒーでもちょっとだけバイトしました。
◆一番ハマっているのは日本の神社、山、温泉
――漫画の「NANA」が好きだそうですが、どんなところに惹かれた?
サーシャ:「NANA」はロシアのアニメで見たのが最初でした。みんなと同じ道を歩きたくないというメッセージに共感して、私もそうだったから。それは「NANA」の影響もあるけど、私が、お母さんが16歳のときに生まれた子で、親子というよりは友達感覚で接していたからかもしれません。お母さんにはたくさん楽しいことを教わって、自分も楽しいことをして人生を過ごしたいと思うようになりました。
――日本のカルチャーで、そのほかに好きなものは?
サーシャ:ゲームをめっちゃプレイしてるのでゲームはもちろん好きだけど、一番ハマっているのは日本の神社、山、温泉。神社は瓦屋根がきれいですし、お香のにおいも幸せです。ディズニー「ムーラン」のようなアジア文化が好きなので、アジアな雰囲気が感じられる場所によく行きますね。
◆サーモンを1人で20皿も食べた
サーシャ:ラーメン、きつねうどんは特に大好きで、作った人は“神”だと思っています(笑)。あとは回転寿司も好きで、この前はサーモンを1人で20皿も食べました。スシローの「炙りサーモンバジルチーズ」というメニューがあって香ばしくて大好きです。
牛丼も好きですね。特に好きなのがチーズ牛丼で、タバスコを大量にかけて食べるのがたまらないです。あとはコンビニの冷やし中華。実は今も冷蔵庫に入れていて、この後、食べようと思っています(笑)。
◆2022年夏から日本での活動を決心
サーシャ:2018年くらいからTikTokが周りで流行って、少しずつ動画をアップしていたんです。なかには否定的な人もいましたが、すぐに動画がバズるようになってSNSのフォロワー数も増えたんです。
特に反響があったのはヒデオコジマさん(小島秀夫)の「メタルギア」のコスプレで、パス・オルテガ・アンドラーデに似てると言われました。色んな人に知ってもらえるようになり、1人で活動をはじめたのですが、コロナがはじまり、2019年に一度ロシアに帰ったんです。
サンクトペテルブルク、モスクワで暮らしていたのですが、事務所の方からお話をいただいて、2022年夏から日本で活動をすることを決めました。不安もありましたが、ロシア人の友達も日本にいたので、ビザをもらって日本で活動をすることを決めました。
サーシャ:はい、撮影は楽しかったです。あまり経験できないことですし、朝6時に起きるのは大変でしたが、面白かったです。
――「YouTubeチャンネル」では、日本の観光地を旅行して紹介していますね。
サーシャ:この前は箱根(神奈川県)、御殿場(静岡県)に行きました。基本1人で行って動画は撮って、編集もしています。この前、御殿場のカフェで働いているおじいちゃん、おばあちゃんたちが声かけてくれて、いろんなことを教えてくれました。たぶん外国人を見たことない人なので話しかけると「日本語、うまいじゃん!」って驚かれます(笑)。なかには、私の知らないロシア出身の有名な映画監督を教えてくれる方もいました。
◆ずっと東京にいると頭がパンクしちゃいそう
サーシャ:以前、福島県を訪れたときに「ブリティッシュヒルズ」という英国流のパブ・ティールーム・ゲストハウスが体験できるところに行ったのですが、すごく楽しかったです。あと、道後温泉(愛媛県)は「千と千尋の神隠し」の温泉宿のモデルになったとされる旅館があって、夜はライトアップされていてすごくオシャレでした。温泉も気持ちよかったです。もともと自然が多いところが生まれたから、日本の自然は大好きです。ずっと東京にいると頭がパンクしちゃいそうになるんです(笑)。
◆もっとオープンな気持ちを持って!
サーシャ:まだ完全にコロナも明けていないのと、世界旅行するためにお金も必要なので、あと1~2年は日本でYouTube活動を続けていきたいです。これまで日本以外で行ったことがあるのは中国、韓国、カザフスタン、トルコだけ。これからはもっといろんな国に行ってみたいです。特に行きたいのはスイス、ノルウェー。海とかサーフィンも好きなのでハワイも。あと「ハリーポッター」が好きなのでイギリスも!
――最後に読者に対してメッセージを。
サーシャ:日本人のなかには海外は怖いところというイメージがあると聞きますが、そんなことないです。私が撮った海外旅行のYouTube動画を通じて、そういった不安のイメージを払しょくして、もっとオープンな気持ちを持ってもらえる発信ができたらと思います。
<取材・文/シルバー井荻 撮影/星亘>
【サーシャ】
SNS総フォロワー70万人超えの原宿系外国人モデル 。TikTokやYouTubeで活動中。2018年にTwitterにて「2.5次元外国人コスプレイヤー」として大注目された。現在も日本のアニメやゲーム、文化をこよなく愛している。2023年1月にグラビアデビューを果たし、現在も幅広い分野で活動中
【シルバー井荻】
平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています
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