【芸能】市村正親、俳優生活50周年で『松尾芸能賞』大賞受賞 喜び語る「あんたが“大賞”ということで」
日本の文化・芸能の保存、向上に寄与した人物を表彰する『第44回松尾芸能賞』の贈呈式が29日、都内で行われた。大賞は、俳優の市村正親(74)が受賞し、喜びを語った。
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市村は、西村晃の付き入を経て、1973年に劇団四季ミュージカル『イエス・キリスト=スーパースター』でのデビューから役者生活半世紀を迎えた。劇団四季では現代劇『エクウス』初主演を務め、17歳の少年を演じて注目を集めた。1988年のミュージカル『オペラ座の怪人』の主役ファントムでミュージカルスターの座を確立。退団後の1992年には、日本初演ミュージカル『ミス・サイゴン』のオーディションで主役のエンジニアを射止めて好演し、その独自の演技で観客を魅了した。再演を重ね、2022年10月には上演905回の金字塔を打ち立てた。
テレビドラマや映画などと活動は多彩。2021年にミュージカル『オリバー!』では、長男・市村優汰との初共演を果たした。2022年は自身の代表作であるミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』、『ミス・サイゴン』、『スクルージ』の再演など、演劇界を牽引し続ける意欲的な活動は余人の追随を許さない。2023年2月に、役者生活50年の集大成とした『市村正親ひとり芝居「市村座」』は10回目の上演をむかえたことなどが評価されての受賞となった。
壇上で市村は「『松尾芸能賞』は第19回の時に優秀賞をいただきまして、もう縁がないのかなと思っておりましたら、今回は大賞をいただけるということで。何よりもうれしかったのは、優秀賞の時より名前が一段と大きくなった。これは、もっともっと大きくな役者になれという励ましの賞だと思っています」とジョーク交じりに喜びを語った。そして「大賞に恥じぬように、74ちゃい(歳)になりましたけど、もっともっと大きな俳優を目指して頑張っていきたいと思います。本日は誠にありがとうございました」と誓っていた。
授賞式後に行われた取材で、改めて市村は「俳優生活50周年の年に大賞をいただいた。あんたが“大賞”ということで。しっかり、これかも頑張っていきたいと思います」と往年の名曲に掛けて笑いを誘った。『松尾芸能賞』については「大衆演劇から出発しているという話を聞いた。やっぱり僕は『松尾芸能賞』をもらうだけの人間なんだな、と。大衆演劇を目指していますので。ああいう世界っていいじゃないですか。格式があるよりも、おひねりが飛ぶような。僕もおひねりを目指して頑張っていきたい」とにっこり。これまでも歴史に名を残す人たちが受賞してきた大賞。「あそこ(大賞受賞者一覧)に俺も載るんだな、と思うとね。今まで精進してきてよかった。これも私の努力の賜物」と笑わせていた。
そのほか同賞は、優秀賞を三山ひろし、尾上菊之助、天海祐希、山村友五郎、吉田玉男、新人賞を田淵愛子、功労賞を林家正楽が受賞した。
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