【芸能】「農業アイドル自死」ドロ沼訴訟報道で「ミヤネ屋」と芸能事務所社長「ガチンコバトル」の結末
愛媛県松山市にある芸能事務所「Hプロジェクト」に所属していた「農業アイドル」大本萌景(ほのか)さんが、自宅で電気コードを使い、首吊り自死──。18年3月に起きたこの事件が、いまだ大きな問題になっている。情報番組「ミヤネ屋」(読売テレビ)の報道もそのひとつだ。
大本さんの母親らは事件後、Hプロに死の原因があるのではないかと、ほのめかしていた。それが全国的な騒動になったのは、18年10月に都内で開かれた記者会見がきっかけだった。
遺族弁護団の佐藤大和弁護士らが、Hプロの長時間労働やパワハラ、大本さんが「Hプロを辞めるなら1億円を支払え」と佐々木貴浩社長に言われた…などと語ったものだ。遺族である母親や姉も同席し、涙ながらにHプロの非道ぶりを訴えたのである。
これを受けてワイドショーも報道したのだが、中でも「ミヤネ屋」は再現ドラマまで作り、社長役の声はドスが効いていた。遺族、遺族弁護団の会見に全面的に乗った報道といえる。
「これによって、Hプロには数えきれないほどの誹謗中傷の電話やファックスが送られてきました」(事情を知る関係者)
遺族は会見翌日、Hプロを相手どって約9000万円の損害賠償請求裁判を起こす。ところが、遺族弁護団が主張していた長時間労働もパワハラもなく、1億円発言も裁判では認められなかった。
昨年12月に請求棄却の判断が下ると、東京地裁の司法記者クラブで会見に臨んだ佐々木社長は「(農業アイドル事件を)報道していたマスコミの皆様には、ぜひとも結果をきちんと報道してほしいと思います」と訴えた。
そして今年2月28日。今度はHプロと社長が原告となって、遺族や遺族弁護団に対して損害賠償を請求した訴訟の判決が下り、裁判所はHプロの主張を認めて550万円の支払いを命じている。
「18年10月の遺族及び遺族弁護団の記者会見の後には3日間にわたり報道した『ミヤネ屋』がこの判決を報じたのは、1分45秒。これに到底、納得ができないとして、Hプロが『ミヤネ屋』に申入書を送付していたのです」(前出・関係者)
その回答が「ミヤネ屋」から得られたとして3月27日、Hプロは書面で声明を出した。
裁判が全てHプロの勝訴となったことで、申入書では「ミヤネ屋」において遺族側の主張に沿った放送内容となった経緯の説明と、Hプロへの謝罪を求めていたのだが、「ミヤネ屋」の回答は以下のようなものだったという。
「原告側、ご遺族側それぞれの主張等について、中立性、公平性、公正性に配慮した放送を行ったと考えている」
前出の関係者によれば、
「訴訟提起時には大きく時間を割いて遺族側の主張を報道する一方で、今年のHプロ勝訴判決の報道時間は1分45秒と短かった。Hプロは中立性、公平性、公正性に著しく欠けるとして、憤慨しています。確かに昨年12月、Hプロの社長が司法記者クラブで『結果をきちんと報道して下さい』と述べ、今年2月にも同じことを言っていました。それに『ミヤネ屋』が対応しなかったということです。木で鼻を括ったような回答書が、Hプロ社長の怒りを増幅させる結果となりました」
はたしてHプロ社長はBPO(放送倫理・番組向上機構)に訴えるなど、次の手を繰り出してくるのか──。
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