【芸能】西郷輝彦さんしのぶ会、91歳・大村崑「最後はクシャミをしてお別れしました」
昨年2月に前立腺がんのため亡くなった歌手で俳優の西郷輝彦(本名・今川盛揮=いまがわ・せいき)さん(享年75)のしのぶ会が1周忌の20日、東京・東京プリンスホテルで営まれ、600人が参列した。
西郷さんの在りし日の映像が流れる中、渡辺雅二氏のピアノ、関淳二郎氏のギターが奏でるデビュー曲「君だけを」で開演。妻の明子(あきこ)さんら親族の「作り込まず、自然の色合い、明るいイメージで」という意向に沿って、祭壇はピンク色のバラ、白菊、胡蝶蘭(コチョウラン)など約2000本で彩られた。
遺影には、カレンダー用に2019年秋に撮影された穏やかな笑みを浮かべる写真を使用。場内は西郷さんのレコード、大好きだった故郷・鹿児島の芋焼酎、晩年のディナーショーで着用したグレーのスーツなどゆかりの品200点以上が展示された。
大村崑は「彼が歌からお芝居に入ってきた際で、お会いしました。非常に礼儀正しい人で、喜劇の世界では先輩が(作法を)誰も教えてくれない。『見て覚えろ』『何でオマエに教えなあかんねんえ』『自分で勉強しろ』という世界。
でも、彼は懐いてきて『教えてくれ、教えてくれ』と。面白いヤツで、どこでも付いてくるんですよ。トイレでも、どこでも(笑い)」。
取って置きの思い出として、くしゃみのエピソードをあげた。「くしゃみができないんですよ。台本では『ハクション』と書いてある。『教えてくれ』と言われても、教える方法がない。輝さん、これは教えてもらうもんと違うで。
自分で工夫してやらないと、しゃあない。ピンセット入れたり、鼻毛抜いたり、自分流で考えてやらないとあかん。教えられないと言うと、終(しま)いには『売ってください』って(笑い)」
その後は「くしゃみやってるか?」があいさつ代わりになっていた。「くしゃみができないままで、終わっちゃった。最後はクシャミをして彼とお別れをしました。喜んでくれていると思います」。大村は91歳だが、年齢を感じさせないほど、声に張りがあり、健康そのもの。
「輝さんを送りに来たけども、自分の送られる日をどういう風にしようかの勉強になりました。91歳ですけれども、102歳で消えます。その時はぜひ大きく取り扱ってください。しのぶ会やってください!」と締めくくった。