【テレビ】発達障害の人はみんな天才?ドラマ『リエゾン』にみる“発達障害の描き方”の難しさ
地方にある児童精神科「さやま・こどもクリニック」の院長を勤める佐山卓(山崎育三郎)とADHDの研修医である
遠野志保(松本穂香)がメインを務める、発達障害を抱える子どもやその家族の成長や葛藤を描いたヒューマンドラマだ。
第1話の放送からすでに大きな感動を呼んでいるが、やはり“発達障害”というセンシティブなテーマを扱っている
からなのか、モヤっとさせられるシーンも見受けられた。27日放送の2話を前に、1話を見ての感想を記す。
●発達障害の人はみんな、才能のある天才?
1話ではASD(自閉スペクトラム症)を抱える8歳児の涼太(川原瑛都)が登場する。
涼太は絵が得意で、見事な色使いの絵を描く。ただ、涼太はコミュニケーションに難があるため
母親の雪枝(星野真里)が佐山(山崎)に相談するシーンがある。その中で気になる発言が出た。
涼太の絵を見た看護師・川島雅紀(戸塚純貴)が「それにしても素晴らしい絵ですね」「涼太くんは金の卵かもしれませんね」
と口にしたのだ。雅紀に他意はなく、むしろ雪枝に寄り添った言葉であり、雅紀にツッコむのはクレーマーと思われても仕方ないかもしれない。
●当事者やその家族に劣等感を与えはしないか
ただ、この言葉は「発達障害=天才、ギフテッド」という認識を広めてしまわないだろうか。
実際、ドラマや漫画で発達障害の人は天才、何かしらの秀でた能力がある、といった描かれ方をするケースは珍しくない。
確かに発達障害児の中には秀でた能力を持つ人もいるが、反対にそうでない人もいる。これでは発達障害を持つ人に
ついての認識を歪ませてしまう可能性がある。さらには、「発達障害なのに秀でた能力を持っていない」と、当事者や
その家族にも劣等感を与えかねない。
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女子SPA! 高萩陽平 2023.01.27
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