【鉄道マニアの旅日記】女子鉄アナ・久野知美が語る「家族旅も一人旅も乗っているだけで幸せ」の思い出
芸能界には鉄道マニアと呼ばれる人たちが多数いる。鉄道をこよなく愛するマスターに鉄道の魅力や思い出の旅をお伺いしました。
今回は“女子鉄アナ”として有名な久野知美さんの「家族旅も一人旅も乗っているだけで幸せ」のお話。
女子鉄アナ・久野知美さん
大阪府出身。フリーアナウンサー・タレント。タモリ電車倶楽部会員 No.0024。筋金入りの女子鉄として知られ、数多くの車内自動放送も担当。現在は『友近・礼二の妄想トレイン』(BS日テレ)『鉄道伝説』SP、『Let’s トレ活!」(BSフジ)などに出演中! 5冊目の著書『東急電鉄とファン大研究読本』(カンゼン)も好評。
鉄道旅は人生そのもの!常に新しい発見がある
鉄道好きになったのは高校時代に利用していた、京阪電鉄旧3000系車両の魅力にハマったのがきっかけです。地元の香里園駅から学校のある三室戸駅までいろいろな車両に乗りましたが、私はとにかく旧3000系特急車が大好きでした。普通料金でダブルデッカーの2階席、階下席、テレビ付き車両にも乗れたのですから、安い、お得が大好きな大阪人としては、ヒーローのような存在でした。
アナウンサー試験のため全国の放送局に行く際に利用した青春18きっぷも鉄道好きに拍車をかけました。青春18きっぷを上手に活用すると、お得に鉄道旅ができることを知って、上手に乗り継いだり、シートを確保するなど「鉄ニック」(鉄道旅行を上手に行うテクニックの略。久野さん命名!)を磨くようになりました。私が考える鉄道旅の魅力は、日常から離れられることが一番です。悩んだり、人生の岐路に立たされたときの対処法は人それぞれだと思いますが、私は列車に飛び乗ります。列車に乗って車窓から流れる景色を見ていると、思考が停止することなく、考えがめぐり、頭が整理されていきます。私にとっての鉄道旅は、日常から離れて癒やしと心の落ち着き、新しい発見を与えてくれる、人生そのものといえるかもしれません。
札幌発の寝台特急「トワイライトエクスプレス」での鉄道旅。約15時間半遅れで大阪駅に無事到着。奇跡的な旅に立ち会えました!
いつか乗ってみたいのは「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」ですね。乗るためにはお値段もさることながら、抽選に当たらないといけませんが、老後の楽しみにとっておきます。夢はヨーロッパを周遊する豪華トレインの旅。スイスアルプスの絶景が楽しめる氷河特急、グレッシャーエクスプレスには乗ることができたので、いつかあの「オリエンタル急行」に乗ってみたいです。ドレスコードに倣ってお洒落をして、優雅な食事をいただきながら、ヨーロッパを巡る。やっぱり憧れますよね。
【思い出の鉄道旅①】大雪のため「トワイライトエクスプレス」が立ち往生!?伝説となった928分の遅延も夢のような時間でした!
一番思い出深いのは2015年2月に乗車した、札幌発の寝台特急「トワイライトエクスプレス」での鉄道旅です。青森県内の大雪により電車が立ち往生し、大阪駅には予定時刻より約15時間半も遅れて到着したのです。それだけ遅延してしまうと車内は騒然となりそうなものですが、乗客は「トワイライトエクスプレス」に思い入れのある人ばかりで、私も含めて予定より長く乗車できることを喜んでいました。
除雪作業や乗客のお世話に奔走する鉄道マンの姿も見ることができて、鉄道員のみなさんを改めて尊敬する機会になり、本当に夢のような鉄道旅でした。乗り合わせていた私はニュースや新聞などたくさんのメディアに取り上げていただき、「女子鉄アナウンサー」と呼ばれるきっかけにもなりました!
車内に閉じ込められても長く乗車できることが嬉しかった!
乗客の方が作ってくださった、私がYahoo!ニュースに登場したパネルです。右手に持っているのは宝物となった大阪駅発行の「928分遅れの遅延証明書」です。
「トワイライトエクスプレス」が誇る食堂車のダイナープレヤデスです。
車内で乗客のみなさんに配られたお弁当です。
トワイライトエクスプレス
1989年に運行が開始された大阪~札幌間を走行する寝台列車。2015年3月に通常のトワイライトとしての運行を終了。トワイライトエクスプレスの名称は、「TWILIGHTEXPRESS 瑞風」の列車に受け継がれた。
【思い出の鉄道旅②】大好きな祖父母と「小田急ロマンスカー・箱根登山鉄道」で行った箱根観光は大切な思い出
祖父母と母、妹、そして私の大所帯で行った箱根の観光旅行も大切な思い出です。引退前の小田急ロマンスカー7000形LSEに乗って箱根へ。箱根湯本からは初夏の箱根の風物詩となる箱根登山鉄道のあじさい電車に。芦ノ湖のフェリーにも乗りましたね。これぞ王道の箱根観光旅行と呼べるものでした。
ちなみに、祖父は時刻表好きの鉄道ファンで、時刻表を見ながらいろいろな旅行を想像するのが好きな人でした。そして嘘のような本当の話なのですが、祖母の名前はテツ(鉄道ファン、マニアを表す呼称)。私の鉄道好きの血はきっと祖父母譲りなのだと思います(笑)。あじさい電車から見たライトアップされた夜のあじさいはとてもきれいでした!
初夏の箱根の風物詩となっているあじさい。沿線に咲き誇る姿を車窓からのんびり楽しめます。
1980年の登場から38年間もの長きにわたって愛された小田急ロマンスカー7000形LSE。引退前に乗車できてよかった!
大好きな祖父母と一緒に。大切な思い出になりました。
箱根登山鉄道
1919年に開業した鉄道路線で、当初は箱根湯本と強羅間を結んだ。1935年に小田原駅発着となり、現在はグループ会社である小田急電鉄のロマンスカーが箱根湯本駅まで乗り入れ、箱根観光の一翼を担っている。
【思い出の鉄道旅③】現美新幹線に乗って女子友達と巡ったぶらり観光旅
女子友達と一緒に現美新幹線で行った新潟の旅は、いつもの一人旅とは違った楽しさがありました。現美新幹線とは現代美術・アートをテーマにした新幹線で、外観デザインはあの蜷川実花さん。間もなくラストランと聞いて、引退前にぜひ乗りたいと思っていました。
普段は新潟に行くときは、新津の鉄道資料館に立ち寄るのですが、このときは女子友達と一緒なのでパス。代わりに「鮭のまち」と呼ばれる村上の町屋街を散歩したり、弥彦公園のライトアップされたもみじを見たりと観光を楽しみました。温泉、スイーツ、ゆっくりくつろぐ時間なども旅に取り入れて、いつもの列車中心ではない女子旅を満喫しました。自撮りではない写真をいっぱい撮ってもらえたのも嬉しかったです(笑)。
濃い藍色を基調としたスタイリッシュな現美新幹線。ラストラン目前に世界最速美術館に乗車できてよかったです!
素敵な作品は現代美術家の荒神明香さんによるもの。列車の揺れに合わせて表情が変化するのが新鮮でした。
人気の観光スポット、弥彦公園「もみじ谷」のライトアップにも足を延ばしました。一人旅だと食事や観光は後回しになってしまうので、女子友達と行った女子旅はいつもと違った楽しさがありました!
<このニュースへのネットの反応>