【芸能】スター発掘が困難に… 終わらない『外でもマスク』 芸能プロ関係者の苦悩「マスクのせいで、路上で美少女の判断ができない」
2023年がスタートした。4日には、仕事始めとなる芸能プロダクションも多い。
各社は、2020年春にコロナ禍が始まり、公演、イベントの相次ぐ中止などで打撃を受けてきた。
規制が緩和された昨年からは、売り上げは回復傾向にあるが、いまだにコロナ禍ゆえの“悩み”を抱えていた。その理由とは。
大手プロダクション社員と食事をしていると、彼がふと愚痴をもらした。
「スターを誕生させることは難しいです。それは永遠のテーマですが、コロナに入ってからはさらに難しくなりました。この流れは、まだ続くのでしょうか」
難しくなった理由を聞くと、彼は「マスクです」と即答した。
「マスクのせいで、路上でのスカウトがしづらくなりました。美少女を探そうとしても、口元を見ないと判断ができませんから。目がきれいで声を掛けたくても、『マスクを外して』とは言いづらいですし……」
ある有名俳優の元マネジャーは、コロナ禍に入って2人の女子高生に声を掛けているが、苦い経験をしていた。
「どちらも原宿ですが、昨年3月に目力が強い子、10月にとてもスタイルが良い子に名刺を渡し、声を掛けてみました。やっぱり、口元も見たいので立ち話をする中で、『マスクを外してみてくれる?』とお願いしました。2人とも外してくれたのですが、残念ながら、私がイメージしていたビジュアルとは違いました。かといって、『じゃあ』とはできないので、しばらく雑談をして『興味があったら連絡を』と言って去りました。幸い2人から連絡は来なかったのですが、グイグイと来られる子だと面倒なことになっていました」
そんな中でも、地方遠征も含めてスカウト活動を継続しているプロダクションはある。
だが、幹部は「現場はかなり苦労しています」と証言している。
振り返ると、路上スカウトを切っ掛けに芸能界入りしたスターは少なくない。
例えば、広瀬アリスは、小6時に地元静岡市内のまつりでスカウトされている。
ショートヘアで男の子と間違われていたというエピソードもあるが、中学入学後にモデル活動を開始。そ
して、都内で雑誌『Seventeen』のイベントに出演した際、会場に母親と来ていた妹の広瀬すずも、姉と同じ事務所社長からスカウトされている。
佐々木希は、05年に地元秋田市のショップで店員として勤務していた際、全国縦断素人美少女発見グラビア「ギャルコンJAPAN」のスタッフに写真を撮られた。
この写真が評判を呼び、翌年3月発売の同誌で、「ギャルコンJAPAN」初代グランプリに選出。芸能界入りに至った。スカウトではないが、声を掛けられて今がある。
その他、吉高由里子、小松菜奈、榮倉奈々、本田翼ら連続ドラマで主演を張る面々も、路上スカウトがデビューのきっかけになっている。中堅プロダクション社長は言った。
「タレントになれる子は多くいても、スターになれる子はごくわずかです。1つ1つのパーツ、全体を見ても輝きが違います。そういった原石と出会うのは、年に1人か2人。見つけたら、本人が芸能界に興味がなくても全力で口説きます」
佐々木も広瀬姉妹も、芸能界に興味があったわけではなく、声を掛けられなければ、別の人生を歩んでいただろう。それを考えると、コロナ禍の3年。
マスクのせいで、スターになる機を逸した少年、少女もいることになる。
決して、「芸能界入り=幸せ」ではない。
だが、芸能プロダクション側は、路上で見かけた原石をスターにするという“醍醐味”をなくした状況が続いているのだ。
「今はSNSで多くのフォロワーを持つ子たちをスカウトすることもありますが、飾らないままの姿から可能性を見極めたい思いがあります」(大手芸能プロダクション社員)
実は、昨年5月20日には政府が「屋外でのマスク不要」と「屋内でも周囲との距離が2メートル以上あり、会話をほとんどしない場合はマスク不要」の見解を発表している。
一方で、今冬もコロナ感染者は増加した。
感染対策も叫ばれる中ではあるが、1人のスターを誕生させるか否かは、芸能プロにとっては大事な経営問題。
多くの関係者がコロナの終息を願いつつ、「今年こそは、外では脱マスクが許される雰囲気になってほしい」と願っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/567efa45fafea7ad70649235c81dbde7ec337ad0