【芸能】新海誠新作ヒロイン・原菜乃華の素顔「ネガティブな性格は短所で長所」

【芸能】新海誠新作ヒロイン・原菜乃華の素顔「ネガティブな性格は短所で長所」

【芸能】新海誠新作ヒロイン・原菜乃華の素顔「ネガティブな性格は短所で長所」

 新海誠監督の3年ぶりとなる新作アニメ映画すずめの戸締まり』で、1700人を超えるオーディションからヒロインに抜てきされた女優の原菜乃華。“扉”をめぐる旅を通して大切な出会いを果たしていく17歳の少女・鈴芽(すずめ)に、みずみずしい命を吹き込んで観客を魅了する。子役からキャリアをスタートさせ、ドラマ真犯人フラグ』(日本テレビ系)や『ナンバMG5』(フジテレビ系)など話題作で存在感を発揮した原。高校を卒業して“社会人1年生”となった今年はさらなる飛躍を遂げた。「ネガティブな性格で、事前にたくさん準備をしないと心配になってしまうタイプ」だと苦笑いを見せる彼女が、女優としての転機や武器、本作からもらった力までを語った。

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オーディション合格の決め手は? 新海監督から「ほかの方にはない面白さがあった」と評価

――『君の名は。』や『天気の子』など登場人物たちの揺れ動く心情を美しい風景描写とともにつづり、今や世界的に人気となっている新海監督作品のヒロインに選ばれました。声優初挑戦となりましたが、アフレコ前に特別に準備されたことがあれば教えてください。

原:新海監督が声を当てられたビデオコンテ(絵コンテをつないだ映像)を観ながら、このセリフはどれくらいの秒数で言い切ればいいのかなど、セリフタイミングや長さを暗記するようにしていました。毎日1、2時間くらい、それをイヤホンで聴きながら散歩をして、体に染み込ませるようにして。アフレコ前に新海監督が「そのままでいいですよ」と言ってくださったこともあり、演技面ではあまり自分の中で鈴芽ちゃん像を固めずに、現場で頂いた演出に柔軟に対応できるようにしていこうと思っていました。

――オーディション後には、新海監督から「ほかの方にはない面白さがありました」という言葉を頂いたそうですね。ご自身では、オーディションでどのような演技ができたという実感がありますか?

原:最後に「今までと違ってもいいので、自由にやってみてください」と言っていただいて、自分なりのお芝居をしてみました。あとで新海監督に聞いてみたら、その最後のお芝居が決め手になったようです。オーディションはとても緊張していたんですが、「今のお芝居もすごく良かったですが、今度はこういうパターンでやってみてもらえますか」と褒めていただきながら、何度もいろいろなお芝居にトライしたことで、だんだんリラックスして演じられるようになったと思います。なんだかレッスンをしているみたいで、その時間もとても楽しかったです。

ネガティブな性格は短所であり長所

――幼少期から芸能活動をされている原さんオーディションステージ度胸があるタイプでしょうか。

原:全然です! 私は度胸がないほうで、オーディションの日は朝ご飯も、のどを通らないくらいです(笑)。新海監督の作品は私も大好きだったので、それだけにとても緊張しましたが「どうせ受からないんだから! やってやろう!」と思えたことが良かったのかなと感じています。オーディション前はいろいろと案を練ったり、台本に書き込んだりしているうちに、「どれも違う…」と思ってしまったり。考えに考えた末に、落ち込むという(笑)。「ここまで考えたんだから、落ちたらそれはしょうがない」と気持ちを切り替えて、いつもオーディションに臨んでいます。

――演じられた鈴芽は、思い切りの良さや前進力のある女の子です。ご自身との共通点はありますか?

原:私自身は考えてから行動しないと不安で仕方がないタイプで、ネガティブで心配性な性格なんです。鈴芽ちゃんと似ているなと思うところは、実はなくて…。アフレコ期間も不安でいっぱいだったんですが、彼女の思い切りの良さや勇気の持ち方、良くも悪くも突っ走ってしまうところに、ものすごく背中を押してもらっていました。鈴芽ちゃんから、たくさん力をもらったと思っています。

――ネガティブな性格とのことですが、真面目で責任感が強いからこそ考えすぎてしまうのかもしれません。

原:ネガティブな性格は短所でもあり、長所でもあるなと思っています。だからこそたくさん準備や練習をするし、そうしていないと不安です。それが良い方向に働くといいなと思っています。

――そういった一途さは、鈴芽とも重なるものだと感じます。鈴芽を演じ切って、新海監督からもらった言葉で印象的だったものがあれば教えてください。

原:新海監督は「菜乃華さんに鈴芽役を担ってもらえて、本当に良かった」と言ってくださいました。その言葉は、一生忘れないだろうなと思います。ものすごくうれしかったです!

■子役からのキャリア「辞めたい」と思ったことはない

――近年は視聴者の間で“考察”が白熱した『真犯人フラグ』、ヤンキー女子を演じた『ナンバMG5』、そして本作と、話題作への出演が相次いでいます。環境の変化を実感することはありますか?

原:今年の春に高校を卒業して、社会人1年目になります。「進学はせずにお芝居1本でやっていこう」「これでご飯を食べていこう」と覚悟したことは、自分の中で大きな出来事でした。『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)の後に『真犯人フラグ』への出演が決まって、学校に行けない時間が増えたことで、両立することの難しさを感じることもありました。私は要領が良いタイプではないので、器用にどちらもできるかといえばそうではないなと。どちらも中途半端になってしまうとしたら、お芝居に専念したいと思って「進学はしない」と決断しました。

――2017年公開の単独初主演を務めた映画『はらはらなのか。』では、子役から女優へと変化していく心の揺れや、成長していく姿を演じていました。2009年に6歳でデビューした原さんご自身は、子役からキャリアを重ねる中で“迷いの時期”はありましたか。

原:物心ついた頃からこのお仕事をしているんですが、勉強も運動も自信があるほうではなかったですし、周囲から褒めてもらえることはこれしかないような気もしていて(笑)。このお仕事を「辞めなきゃいけないのかな」「難しいな」と思った時期はありますが、「辞めたい」と思ったことはありません。やっぱりお芝居をしているときはとても楽しいですし、好きじゃなかったらここまで続けて来られなかっただろうなと思います。

――「辞めなきゃいけないのかな」と思った時期は、どのような心境だったのでしょうか。

原:以前の事務所で、所属していた部門がなくなってしまい、芸能活動が何もない状態になってしまった時期がありました。そのときに「これまで当たり前にあると思っていたものは、当たり前ではないんだ」「このお仕事ができなくなってしまうかもしれない」ととてもショックを受けて。女優のお仕事が自分にとって、とても大事なものになっているんだと改めて気づきました。実はそれ以降、オーディションでさらに緊張するようになってしまったんです。「これは自分にとって大切なものなんだ」「受からなかったらどうしよう」という気持ちがより強くなったのかもしれません。

――鈴芽は扉をめぐる旅を通して、たくさんの素晴らしい出会いを果たしていきます。原さんにとって、女優業の転機となるような出会いはありますか?

原:映画『罪の声』(2020年)で“望”(のぞみ)という役柄を演じさせていただいて、街中でも「望ちゃん役の子だよね」と声を掛けていただいたり、オーディションなどでも顔と存在を知っていただけるようになったので、私にとってとても大切な作品です。主演を務められていた小栗旬さんは、事務所の先輩でもあるんですが、とても優しくて、私のような若い者にもものすごく良くしてくださる方なんです。周囲の皆さんから慕われている小栗さんを見ていると、私もいつか後輩ができたときなどに、きちんと“与えられる人”になりたいなと思います。そのためにも今はチャレンジの時期! 自分の好きなこと、できることを、たくさん見つけていきたいです。

(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)

 映画『すずめの戸締まり』は全国公開中。

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原菜乃華  クランクイン! 写真:高野広美

(出典 news.nicovideo.jp)


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