【映画】「Dr.コトー」完結に吉岡秀隆が語る思い「戻れるのだろうかと自問自答の日々でした」映画「Dr.コトー診療所」製作報告会
吉岡秀隆が主演を務める映画「Dr.コトー診療所」(12月16日(金)全国公開)の製作報告会が10月26日(水)に開催され、吉岡、柴咲コウ、大塚寧々、泉谷しげる、筧利夫、小林薫、髙橋海人(King & Prince)、生田絵梨花、中江功監督が登壇した。
2003年、フジテレビの木曜10時枠で放送された連続ドラマ『Dr.コトー診療所』。累計発行部数1200万部を超える山田貴敏の同名漫画を基に、第1期、第2期ともに大ヒットを記録し、今なお国民的ドラマとして語り継がれている本作の続編が、12月16日(金)に全国劇場にて公開される。
このたび、そんな本作の製作報告会が10月26日(水)に開催され、主人公・Dr.コトーこと五島健助役を演じる吉岡秀隆をはじめ、柴咲コウ、大塚寧々、泉谷しげる、筧利夫、小林薫というドラマ当時からのキャスト陣に加え、映画からの参加となる髙橋海人と生田絵梨花、中江功監督が登壇した。
まず、司会の軽部真一アナから本作が続くと思っていたかと問われると、吉岡は「ありませんでした、僕の中では」と。「ただ、監督がその火をなかなか消してくれなくて。会うたびに”みんな今どうしてるかね”とかそういう話をしてくださって、監督の中ではずっと火が消えていなかったんだなと。そして、その火をまた僕にたきつけてくれたという感じです」と振り返る。
ドラマ放送から約16年がたつが、「ずいぶん時間がたって、髪も真っ白になってしまって、もう1度戻れるのだろうかと自問自答の日々でした。そんな中、勝手知ったるキャストやスタッフ、同じ汗と涙を流した人たちがそばにいてくれて、コトー先生に戻してもらったなと」と感謝を述べた。
映画では、柴咲演じる看護師・彩佳はコトーと結婚、出産を控えるなどの大きな変化が。柴咲は、「再放送などでコトーの世界に触れることはあったのですが、自分が出ていながらもはや自分ではない感覚で、島も本当にどこかに存在していて、今も住んでいる人たちがいるのだろうなとずっと思っていたんです。なので、このお話をいただいた時も不安感はなく、そこに自分の魂がスッと入っていく感覚になるのだろうなと思っていました」と振り返った。
舞台となる志木那島にへき地医療の勉強でやってくる新米医師・織田判斗を演じた髙橋は、「打ちのめされて、悔しくて、“明日は!”と思って準備をして現場に行ってもまた打ちのめされて…の繰り返しで、僕の中では限界突破でした。100%を超えて、120%頑張ったなと感じています」と撮影の日々を明かす。
特にどのシーンが大変だったか問われると、「正直、もう全シーンですね。求められる水準が高く、皆さんがシーンについて熱心にディベートされて作り上げていくところに、必死にしがみついていった感じです。特に、判斗が島の医療について問うシーンは、たたずまいなどの繊細なところまで監督に指導していただきました」と答えた。
そして、同じく映画から登場するのが、生田が演じる彩佳の後輩看護師・西野那美。「先輩後輩として、彩佳さんと道を歩きながら会話をするシーンというのを最初に撮ったのですが、その時の彩佳さんがとてもいい表情をされていて。こんなふうに彩佳さんが見守っているのだから、那美はたくましくなきゃいけないなとか、彩佳さんについていこうとか、彩佳さんの表情からヒントやひらめきをたくさんいただきました」と笑顔を浮かべた。
続けて、記者から吉岡へ「自身にとってのこの作品はどのような存在か」といった質問が。すると、「(ドラマの)一番最初の時は20年前になりますが、その時は32~33歳で今は52歳ですから、その時と今のコトーというのはもちろん変わりました」と。
「でも、やっぱり“こういう先生にいてほしい”って、こういう時代だからこそそう思います。あの頃は無我夢中でやっていたことが、あらためて今となっては、ここにいるみんなと同じ汗と涙を流して本当に良かったなと。僕にとって、とても大事な役と作品になりました」と本作への思いをかみ締めた。
さらには、「この映画で完結になるのか?」という問いかけも。これには、中江監督が「見た方がどう思われるか分かりませんが、一応これが集大成で完結編です。僕の中では最初で最後の映画化で、連ドラをやる予定もありませんし、この映画でコトー先生を1回締めようと思っています」と語った。
最後に、吉岡が「16年前、決して色あせることのないドラマを作るんだ、とやっていましたが、色あせていないなと映画化に当たってつくづく感じています。今、なんだかとても不安な時代になってしまいましたが、ここにいるみんなが志木那島で待っていますので、ぜひ劇場に遊びに来てくれたらうれしいです」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。
作品情報
映画「Dr.コトー診療所」
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